
食品の裏側にある原材料表示を見て、「メタリン酸ナトリウム」という名前に引っかかったことはありませんか?
聞き慣れない化学的な名前に、「体に悪そう」「危険な添加物なのでは?」と不安を感じた方も多いと思います。
最近では、健康志向の高まりとともに、食品添加物への関心も強まっています。特に子どもや家族の食事に気を遣う方にとって、「安全なものを選びたい」という気持ちはとても自然なことです。
この記事では、メタリン酸ナトリウムがどんな食品添加物なのか、私たちの体にどんな影響があるのか、そしてできるだけ安全に付き合うための選び方や考え方を、わかりやすくお伝えします。
目次
メタリン酸ナトリウムってなに?
メタリン酸ナトリウムとは、リン酸塩の一種で、食品添加物として使われている化合物です。
主に「ポリリン酸ナトリウム」「メタリン酸Na」といった名前で表示されており、粉末状の無機化合物です。
聞きなれない名前ですが、日本では厚生労働省により安全性が認められており、食品衛生法で使用が許可されています。
科学式は主に (NaPO₃)n と表され、リン酸が複数結合した「ポリリン酸」の一種です。
どんな食品に使われているの?
メタリン酸ナトリウムは、さまざまな加工食品に使用されています。
その目的は、食品の保存性を高めたり、見た目や食感をよくするためです。
主な使用目的:
-
保水性の向上:肉や魚の水分を保持し、ジューシーさを保つ
-
結着性の強化:ハムやソーセージの形を崩れにくくする
-
変色防止・金属イオン封鎖:色や風味を安定させる
-
pH調整:腐敗を防ぎ、保存性を向上させる
よく使われている食品:
-
ハム、ウインナー、ベーコンなどの加工肉
-
ちくわ、かまぼこなどの練り製品
-
冷凍食品(特に揚げ物・肉製品)
-
インスタントラーメン(麺やスープ)
-
粉チーズ、シュレッドチーズ
-
一部の清涼飲料水や調味料
身の回りの食品に広く使われているため、私たちは気づかないうちに毎日少しずつ摂取している可能性があります。
毒性はある?安全性はどうなの?
「メタリン酸ナトリウム」と聞いて「毒性があるのでは?」と不安になるのも当然です。
しかし、現在のところ科学的には「通常の食生活で摂取する分には安全」と評価されています。
国際的な評価
**FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、
ポリリン酸ナトリウム(=メタリン酸ナトリウムを含む)のADI(耐容一日摂取量)を、70mg/kg体重/日(リン酸換算)**と定めています。
たとえば、体重50kgの人なら1日あたり約3.5gまでが安全とされる範囲です。
日本国内の規制
日本でも食品衛生法に基づき、用途ごとに使用量や使用目的が厳しく規定されています。
つまり、市販されている加工食品は、すべて法律の範囲内で使われており、危険な量ではないということになります。
それでも不安…過剰摂取によるリスクとは?
「法律で認められている=安心」とは言っても、やっぱり気になるのが**“長期的に摂取した場合の影響”**ですよね。
懸念されるリスク
▶︎ リンの過剰摂取
メタリン酸ナトリウムはリン酸塩の一種のため、過剰摂取によって以下のような問題が懸念されています:
-
カルシウム吸収の妨げ
→ 骨粗しょう症リスクが高まる可能性あり -
ミネラルバランスの崩れ
→ 鉄やマグネシウムなどの吸収も阻害される可能性 -
腎臓への負担
→ 腎機能が低下している人は、排出しきれずに蓄積するリスク
特に気をつけたい人
-
成長期の子ども
-
妊婦・授乳中の方
-
高齢者
-
腎疾患がある方
このような方々は、できるだけリン酸塩(含:メタリン酸ナトリウム)を控える食事が推奨されることがあります。
なるべく避けたい人はどうすればいい?
完全に避けるのは難しいですが、日常の中で意識すれば摂取量を減らすことは可能です。
実践できるポイント
① 食品表示をチェックする
-
原材料欄に「メタリン酸Na」「ポリリン酸Na」と書かれていないか確認
② 加工食品の頻度を減らす
-
ウインナーや練り物を“毎日のおかず”にしない
-
冷凍食品の置き換えには、簡単な手作り料理もおすすめ
③ 無添加・オーガニック食品を選ぶ
-
「無添加」「添加物不使用」などの表記に注目
④ 自炊を中心にする
-
手作りにすると自然と添加物の摂取量が減る
⑤ 特定の食品に偏らない
-
加工肉、練り物、即席麺など、添加物が多い食品を**“ローテーション”で食べるだけでも効果あり**
メタリン酸ナトリウム=悪者なの?
ここまでの内容を踏まえて、改めて考えてみましょう。
✅ メタリン酸ナトリウムは、「毒」ではない
-
使用基準を守っていれば、急性毒性もなく、法的にも認可されている
-
一般的な量では人体に有害な影響はないとされています
⚠️ ただし、毎日たくさん摂るのは避けたい
-
加工食品の多食は、リンやナトリウムの過剰摂取につながることも
-
「ちょっと気をつけてみる」だけでもリスクはぐっと下がります
🤝 大切なのは、“選ぶ力”を持つこと
-
不安になりすぎず、ラベルを読み、必要に応じて無添加品を選ぶ
-
家族の健康のために、正しい知識を持っておくことがいちばんの安心につながります
まとめ
-
メタリン酸ナトリウムは、食品の品質を保つために使われる添加物のひとつ
-
科学的・法的に安全性は認められており、通常摂取で健康被害は少ない
-
ただし、過剰な摂取はカルシウムの吸収を妨げるなど、長期的に見て注意が必要
-
加工食品の摂取を減らしたり、表示を確認することでリスクはコントロールできる
-
「怖がる」のではなく、「選べる自分」でいることが大切

